富士総合火力演習を一度は現地で見てみたい――そう思って応募方法やチケットを探している方もいるのではないでしょうか。
以前は一般向けの観覧募集が行われ、抽選に当選すれば東富士演習場で戦車や火砲による実弾射撃を見学することができました。
しかし、現在は仕組みが大きく変わっています。
陸上自衛隊は2023年度以降、従来の一般公募による富士総合火力演習の一般公開を行っていません。
2026年度の富士総合火力演習も、一般向けの通常公募は行われず、演習の様子は陸上自衛隊の公式配信で公開されました。
ただし、「一般の人は絶対に現地で見ることができない」という意味ではありません。
2026年度には一部の自衛隊地方協力本部で、青少年や学生などを対象とした招待募集が実施されています。
つまり、以前のように誰でも応募できる一般観覧枠はなくなった一方、募集・広報活動の一環として対象者を限定した見学機会が設けられる場合があります。
この記事では、2026年9月時点の公式情報をもとに、富士総合火力演習の一般公開、応募方法、チケット、YouTube配信、現地で見学できる可能性について整理します。
- 2023年度以降、従来の一般公募による一般公開は行われていない
- 2026年度の総火演は6月7日に東富士演習場で実施
- 公式ライブ配信・アーカイブで演習を見ることができる
- 一部の地方協力本部では青少年・学生などを対象に招待募集を実施
- 一般向けの有料チケット販売は行われていない
富士総合火力演習の一般公開・応募・チケットの現状

まず、現在の富士総合火力演習を一般の人がどのように見ることができるのか整理します。
2023年度以降は一般公開を実施していない
富士総合火力演習では、かつて一般向けの観覧募集が行われていました。
ところが、新型コロナウイルスの影響により2020年度から2022年度までは無観客で実施。
その後、陸上自衛隊は2023年3月、「令和5年度以降の富士総合火力演習については一般公開を行わない」と発表しました。
2023年度、2024年度、2025年度、2026年度と、この方針が続いています。
したがって、2019年度まで行われていたような、全国の一般観覧希望者が公式サイトから応募して抽選を受ける仕組みは現在ありません。
「一般公開が永久に廃止された」と公式発表されているわけではありません。正確には、陸上自衛隊が「2023年度以降は一般公開を行わない」とする方針を示しており、2026年度も一般公募は実施されていません。
2026年度の富士総合火力演習は6月7日に実施
2026年度(令和8年度)の富士総合火力演習は、2026年6月7日に静岡県の東富士演習場で実施されました。
陸上自衛隊によると、総火演は自衛官や防衛大学校学生などに対し、火力戦闘の実相を教育することを目的とする演習です。
2026年度は昼間演習と夜間演習に分け、対戦車火器や砲迫火力の特性、諸職種が連携する火力戦闘などの教育が行われました。
YouTubeでライブ配信・アーカイブを視聴できる
一般公募がなくなった現在、一般の人が総火演を見る基本的な方法となっているのが公式映像です。
2026年度も陸上自衛隊広報チャンネルでライブ配信が行われ、現在も約2時間30分のアーカイブ映像が公開されています。
さらに、約2分のダイジェスト映像も公開されています。
2026年度はウェアラブルカメラの映像も活用され、演習場内の様子をより近い視点から見られるよう工夫されました。

現地の一般公募はありませんが、公式配信なら総火演の流れを最初から確認できます。
富士総合火力演習の一般公開がなくなった理由


では、なぜ長年人気だった一般公開を行わなくなったのでしょうか。
陸上自衛隊は2023年の発表で、その理由を明確に説明しています。
人的資源を教育訓練へ集中するため
公式に示されている主な理由は、部隊の人的資源を本来の目的である「教育訓練」に注力するためです。
陸上自衛隊は、日本を取り巻く安全保障環境が厳しく複雑になる中、防衛力を抜本的に強化する必要があると説明しています。
一般公開を行えば、観覧者の受け入れ準備や案内などにも人員が必要になります。
そこで、隊員や部隊の人的資源を教育・訓練へ重点的に振り向ける方針へ変更されました。
演習そのものは現在も実施されている
一般公開が行われなくなったからといって、富士総合火力演習そのものが終了したわけではありません。
2023年度以降も毎年度実施されており、2026年度も教育演習として行われています。
一般観覧イベントとしての性格が弱まり、隊員・学生に対する教育訓練という本来の目的がより明確になったと考えると分かりやすいでしょう。
2026年度は最新・将来装備も紹介
2026年度の総火演では、従来の装備品だけでなく、最新の装備品や研究開発中の将来装備品の一部も展示・紹介されました。
また、観覧・研修席に近い場所へ戦車などが進入する機動路を整備し、ウェアラブルカメラによる映像も配信しています。
現地に行けない一般視聴者でも、公式映像を通じて最新の総火演を見ることができます。
一般人でも富士総合火力演習を現地見学できる?


ここが特に誤解しやすいポイントです。
一般公募がなくなったため、「自衛官や関係者しか現地に入れない」と思われがちですが、実際には対象を限定した招待が行われる場合があります。
地方協力本部が青少年向けに募集する場合がある
2026年度には、自衛隊三重地方協力本部が富士総合火力演習への参加者を募集しました。
案内では、「自衛隊への理解を深めていただけるように、青少年をご招待します」と説明されています。
応募者の中から当選した人が参加する形式でした。
静岡地方協力本部も、2026年6月7日の総火演に学生や保護者など225人を引率したことを公表しています。
したがって、「一般公開はない=一般人が一人も見学できない」ではありません。
ただし、以前の一般観覧公募とは性格が異なり、自衛官募集や広報活動などの対象に該当する人向けの限定的な機会です。
地方協力本部による招待の有無や対象年齢、応募条件は、年度・地域によって異なります。「毎年すべての地方協力本部から応募できる」という制度ではありません。
入隊希望者なら地方協力本部の情報を確認
自衛官、防衛大学校、防衛医科大学校などへの進路を検討している人や、その年代の学生であれば、居住地域を担当する地方協力本部のイベント情報を確認しておくとよいでしょう。
総火演への招待募集が行われる場合は、自衛隊地方協力本部などの公式サイトから案内されます。
- 居住地域の自衛隊地方協力本部公式サイトを確認する
- 地方協力本部の公式SNSでイベント情報を確認する
- 自衛官募集の説明会や広報イベントを確認する
一般向けの有料チケット販売はない
現在、富士総合火力演習について一般観覧者向けの有料チケット販売は行われていません。
そのため、SNSやフリマサイトなどで「総火演の一般チケットを販売する」といった案内を見つけた場合は注意が必要です。
ただし、「公式以外の案内はすべて詐欺」と一律に断定するのも正確ではありません。
重要なのは、防衛省・自衛隊・地方協力本部などの公式情報で募集の有無を確認することです。
一般向けの通常公募・有料チケット販売は現在行われていません。金銭を要求する「観覧券販売」「特別枠販売」などには特に注意し、必ず防衛省・自衛隊の公式情報を確認してください。
過去の富士総合火力演習はどうやって応募した?


2019年度までの一般公開では、一般の観覧希望者が応募し、抽選に当選すると現地で見学できる仕組みがありました。
インターネットで一般公募
以前は陸上自衛隊が一般観覧者を公募し、抽選で観覧者を決定していました。
過去には往復はがきによる応募もありましたが、2017年度からはインターネット応募のみとなっています。
現在のような「有料チケットを購入して入場するイベント」ではなく、公募に応募して観覧券を得る方式でした。
自衛隊の訓練に興味がある方は、あわせて演習の実施場所や視聴方法についても確認してみてください。
一般公開時代は約30倍の高倍率
富士総合火力演習は、一般公開時代から非常に人気の高い行事でした。
2017年度の一般公募では、応募総数が15万361通に達しています。
2017年度の当選倍率は約29倍でした。
2019年度も約14万通の応募があり、倍率は約27倍と報じられています。
同年の公開演習には約2万4,000人が来場しました。
「数十倍になることもあった」という表現は事実に沿っていますが、年度や券種によって倍率は異なります。
富士総合火力演習を今見る方法
一般公開が行われていない現在、富士総合火力演習を見る方法は大きく分けて次の2つです。
| 方法 | 対象 | 特徴 |
|---|---|---|
| 公式ライブ・アーカイブ配信 | 誰でも視聴可能 | 最も確実な視聴方法 |
| 地方協力本部などの招待 | 青少年・学生など対象者 | 年度・地域によって実施の有無が異なる |
一般の方にとって最も確実なのは、陸上自衛隊公式のライブ配信・アーカイブを視聴する方法です。
現地で自衛隊の装備を見たい場合は、総火演だけでなく、全国の駐屯地記念行事や一般開放、航空祭、装備品展示などを探す方法もあります。
富士総合火力演習の応募・見学に関するQ&A
まとめ|富士総合火力演習は一般公募なし・公式配信で視聴可能
- 2023年度以降、従来型の一般公募による一般公開は行われていない
- 2026年度は6月7日に東富士演習場で実施された
- 公式YouTubeでライブ配信され、アーカイブも視聴できる
- 一部の地方協力本部では青少年・学生などを対象とする招待募集が行われた
- 一般向けの有料チケット販売は行われていない
- 2017年度の一般公募倍率は約29倍、2019年度も約27倍だった
富士総合火力演習は、かつてのように一般観覧者が全国から応募し、抽選で現地へ行く行事ではなくなりました。
現在は一般公募を行わず、教育訓練を優先しながら、演習の様子をライブ映像などで一般公開する形になっています。
ただし、2026年度には地方協力本部を通じた青少年向け招待も確認されているため、「一般人の現地見学が完全にゼロ」とするのも正確ではありません。
通常の一般観覧者にとっては、陸上自衛隊公式YouTubeのライブ配信・アーカイブが最も確実な視聴方法です。
現地見学を希望する場合は、自分の地域を担当する地方協力本部で総火演の招待募集が行われていないか確認してみてください。







